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特別企画 新世紀ビッグ対談

伝統を受け継ぎつつ未来にはばたいて
新世紀を迎えて、菊友会も新たなる第一歩を踏み出しました。もちろん母校九段もますます輝いています。今回は4月の異動で九段高校校長に就任された佐藤美穂先生をお招きして、これからの九段、これからの菊友会について鈴木会長と対談していただきました。


佐藤美穂 九段高校校長(写真右)
鈴木謙一 菊友会会長(写真左)
卒業生の9割以上が九段生でよかったと答えるほど九段は魅力的な高校
鈴木
まずは、九段高校の校長にご就任されまして、OB会を代表しまして「ようこそ」とご挨拶申し上げたいと思います。今日はあまり堅苦しくしないで、我々菊友会のことをご理解いただくのと同時に、今の九段高校、これからの九段高校についてもお話を伺いたいと思います。実は私も卒業以久しく来母を校訪ねることはなかったんですが、昨年の卒業式に菊友会会長として参列いたしまして、いや本当にびっくりいたしました。まず校舎が違うのは当然なんですが、女子が多いのにもびっくりして。それに卒業式そのものが、我々の頃とは違っていましてね。まず5色のクラッカーをパーンとならしてからクラス委員が総代として卒業証書をもらいに出ていくんですね。それから逆卒業証書授与というのがあって、何かと思ったら生徒から担任の先生に「私たちはめでたく無事卒業いたしました」みたいな感謝状と記念品が渡されるんですよ。クラスによっては壇上で抱き合ったりして、これはもうびっくりいたしましたね。
佐藤
私はまだ経験していないんですけど、年度によってもいろいろ違うようですし。
鈴木
そうなんですよ。もちろんこれだけで今の九段というものを語るわけにはいきませんが、実感として僕らの頃と校風がすっかり変わってしまったのかという印象をもちましたね。僕らの時代は昭和19年入学ですから、もう戦争の最中でしたしもちろん男だけでしたから。ただ、先日前任の森田校長先生から聞いたんですが、今の卒業生にアンケートをとったら、90 ~95%の生徒さんが九段高校で3年間高校生活を送ってよかったと答えたそうですね。
佐藤
満足ですね。その数字は公表されているものです。
鈴木
そうですか。しかしこの数字はほとんど全員が九段に対して満足しているわけで、これはすごいことですね。今いる生徒さんが今の九段の校風を作っているわけですから、それはそれでとてもいいと思います。
佐藤
確かに学校はそこにいる生徒が作っていく面がありますからね。
とにかく九段は行事が充実、特に体育祭の盛り上がりはすごい
鈴木
今日は体育祭のリハーサルだったそうですが、行事はやっぱり盛んみたいですね。
佐藤
そうですね、体育祭と九段祭はそうとうエネルギッシュみたいですね。
鈴木
体育祭は学年ごとの対抗ですか。
佐藤
いいえ縦割りにしていますね。女子クラスと共学クラスがありますから、男女の比率も考えて1年から3年までの編成で。
鈴木
なるほど、女性が多いから競技なんかもいろいろ違うんでしょうね。
佐藤
ところがそんなこともないんですよ。女子の騎馬戦もやってますよ。
鈴木
ヘエーッ。そういう時代に九段生でいたかったですね(笑)
佐藤
もう男子と変わりませんね。去年までは女子は棒引きをやってましたけど、ちょっと危険なので綱に変えたんですけど。先日各団の団長や実行委員長と会ったんですけど、3年生は、とにかくこれが最後の思い出作りですから、思い入れが強いですよ。
鈴木
ほう、僕らの時は軍事教練なんていう戦時色の強いのがあったり、剣道や柔道が必修で……。
佐藤
ああ、そうですね。そういうエネルギーを集中するのが、今は行事なんですね。
時代のギャップを埋めるために今の九段と菊友会の相互理解を深めたい
鈴木
菊友会の会員という立場で考えてみると昔は市立一中、九段中学そして九段高校という流れがあって、各々ある時期に身を置いてきたわけです。また、それぞれがその時期の学校に対する思いがあると思います。これは時代によっても違うし、個人でも差がある。したがって九段高校に対するイメージがやっぱりそれぞれ違いますが、今は本当に大きく変化している。だから、皆が思っているのは、今の九段の現状はどうなのか、それから今背負ってる課題は何なのか、これからどういう方向に進むのか、これをもっと知りたいんですよ。と同時に校長先生を始め先生方や生徒さん、ご父兄の方々に菊友会の会員が九段時代に体験したことや母校に対する思いを知っていただいて、九段高校はどんな歴史があったのか、どういう特色や校風だったのか、年代によってどう変化していったのかを理解していただきたいですね。そのためにももっとお互いに交流をしていく必要があると思うんですよ。その上で、これからどうしていくかという話も具体的にできると思うんです。
人が変わり、建物が変わっても、在籍した人の精神は受け継がれていくもの
佐藤
私はお話を伺っていて、今の九段にも校風というか大きな精神の流れというか、基本的なことはほとんど残っていると感じますね。自由闊達な校風とおっしゃってましたけど、校風はそのままだと思います。不思議なもので、人がどんなに入れ代わっても建物が変わっても、そこに残された人の気風は必ず受け継がれているっていうふうに、私はいろんな学校を経験して感じていますね。ただ、時代とか社会が変わって、もちろん生きている子どもたちも変わっているわけですよね。つまり受け継がれたものを今の子どもたちがどう表現しているかも違うわけで、ですから一見すると全く違ってしまったように見えるのかもしれません。昔の自由闊達さは、今の言葉で言えば子どもの自主性を尊重することですよね。
コース制や全学区制になってはや10年そろそろ見直しの時期がきている
鈴木
気風は変わらないとすれば、変わったものでは学区制の問題とか、コース制とか、あるいは日比谷がやっているみたいな受験制度のような新しい試みをしていくのか、そういうことに対して、九段はどう対応しているのか、また今後どういう風にしていくのかは知りたいですね。
佐藤
九段が変わった一番大きなことはコース制ですね。これは今年で10年目を迎えましたが当時は非常に新しかった。東京都としても初めての試みで、学区制も男女の枠もはずして全都から自由に受験できるというのは、ある意味で自由闊達な校風に合っていたと思います。ただ10年間その役割は果たしてきていますが、これから先の10年、20年を考えると、このままでいいかどうかという時に、また違う要素が発生してきていることは事実ですね。東京都の方針で都立高校の学区制も早晩はずれることになっておりますし、そうなると条件が全く変わってきますから、そういう中で、子どもたちをより多く引きつけて、満足させる学校はどういうものかという検討委員会をつい最近作ったばかりでして。
鈴木
そうなるとコース制も変わるのですか。
佐藤
とにかく見直しをする時期にきているということですね。指導要領、新教育課程が変わるものですから、今年度中にはなんらかの方向性を決めなければいけない時期にはきていますから。
鈴木
すると女子が多いですから、その辺のところも変わるんでしょうか。
佐藤
会長さんは男子校の時代ですから女子が多いとかそういう話題になると思うんですけど女性の側からするそうは思わないんですよね。男女のバランスがとれればいいかというとそういうことだけではないと思います。ただ、男子も育てていくという機能を九段高校はもっと果たしてもいいんじゃないかとは思います。
鈴木
そうですか。実は私達の世代の仲間には「もう学校変わっちゃったよ」という人もいるんですね。しかしそれでも母校だしねえ。
佐藤
ですから菊友会の皆さんに一番お願いしたいのは、現在の子ども達の状況をよく理解してほしいということと、学校が検討委員会を中心に学校全体として方向を考えて立案していく時に、それをまず理解する立場に立っていただきたいということですね。要するに現場のことは先生方を中心に、現場の責任を充分に果たすということが私達の役目ですから、それが同窓会の皆さんにお応えする一番の形かなと思っています。
校歌は唯一世代を超えて歌い継ぐもの歌詞の中に九段魂が生きている
鈴木
やっぱり学校が生徒にとって魅力的な所でなければいけないし、いい先生や友達がいて充実した学校生活を送って、その結果としていい大学に入り、社会に出てからもそれが続いて、いい同窓会にも恵まれるというような。
佐藤
そうですね。それが社会を作っていくということでしょうね。だからOBの皆さんには今の九段の現状を愛情もって見ていただく、それから今の子ども達にどういう関わりが社会として必要かという視点から協力していただくということじゃないかと思います。
鈴木
そうですか。菊友会の規約では会員相互の親睦は大前提ですが、母校の発展に協力すると明記されていますから、何らかのお役には立てればと思います。今菊友会として取り組んでいるのは会の活性化なんです。毎年大会をやって親睦を深めるわけですが、これも年代によって温度差があります。しかし個々を見ると、それとは別に職業で集まる会もあってマスコミ菊友会とか、紙パ菊友会とかね。
佐藤
それは何の会ですか。
鈴木
紙パルプ業界に携わっている人達の会なんですけどね。それ以外にも地域で集まったりいろいろあるわけですよ。部活のOB会ももちろんあるんですが、それが皆バラバラに活動しているのが実態で、いざ同窓会となるとなかなかまとまらないんですね。ですからこれからの生徒さんにお願いしたいのは、勉強はもちろんですが、伝統的な行事、至大荘や尽性園もありますし、そうした体験を通じて、学校における先輩や後輩、同級生の関係を大切にしてほしいと思いますね。
佐藤
そうですね。まず今を大事にしていくというところからの出発ですね。
鈴木
そうです。菊友会の立場で言えばやっぱり先輩、後輩、同期の交流をもっと盛んにしてもらいたいことですから。現役時代からそれを培っていってほしいものですね。それと校歌ね私はあれはいちばん九段を象徴しているし、素晴らしい歌詞だと思うんですよ。
佐藤
ああ、それお話したかったんですよ。校歌はそこに学んだ人の象徴的存在ですもの。
鈴木
そうなんですよ。特に「けわしき道のありとも いよいよ高きを越えて進まん」と「正しき市民国民 此処より競いて常に起らん」という箇所は極めて今日的で、ぴったりと心に誓えます。
佐藤
そう、日常的に歌えるということが大切ですね。それと歌詞のひとつひとつの表現や歌の意味も子どもたちに学ばせることは大事ですね。校歌は共通の心を表現するものです。
鈴木
イヤー意見が合って嬉しいです。そろそろ時間がきてしまいましたが、これからもこういうチャンスを作っていろいろなことを話し合っていきたいものですね。本日はお忙しい中ありがとうございました。

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