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引き継がれる九段の教育~倉田校長と井上理事長の対談行われる

井上理事長(右)に語る倉田校長(撮影:酒井憲太郎・高17)都立九段高校は平成18年4月千代田区立九段中等教育学校へと移行し、今年で8年目を迎えました。区立中高一貫教育校の教育は都立高校時代とどう変わったのか?そして、今年の卒業生の合格実績は?5月15日校長と理事長の懇談が実現し、中等教育学校の現況について伺いました。


【井上】まず始めに九段中等教育学校はどのような学校ですか?その特色とは?
【校長】東京都には6年制の公立中高一貫教育校は11校あります。都立が10校で、区立は本校1校です。九段は千代田区が管轄する唯一の区立中高一貫教育校です。義務教育の3年間を前期課程、高校にあたる3年間を後期課程と呼びます。
【井上】6年制一貫教育のメリットとは?
【校長】6年間の長いスパンで、一人一人の生徒と関われ、理解を深めることができます。また、中学から高校までの学習内容を見通した、柔軟かつ計画的・意図的なカリキュラムを編成することができます。生徒たちに充実した教育活動を提供でき、ゆとりを生むこともメリットだと思います。
【井上】カリキュラムの特長としては?
【校長】教育活動の3本柱の1つに「キャリア教育の充実」があります。1年生から企業と連携した学習に取り組み、3年生での海外研修を通して、国際感覚を磨きます。進路選択を単に学力を基準にして考えるのではなく、自身の適性を見極め、将来を見据えて選択するように指導しています。現在は、学習指導要領の改訂に伴い、学習内容の増加やセンター試験の変更に対応するようカリキュラムの見直しを行っています。
【井上】今年は合格実績がかなり向上していますが、何かポイントはありますか?
【校長】生徒も先生も一生懸命に取り組んだことと進路指導の積み重ねが成果の向上につながったと考えています。学校としては、進学実績を上げること以上に、社会に出て活躍できる人材をいかに育成するかを目標に指導にあたっています。
【井上】卒業生としては成果が上がってきたことを喜んでいます。ところで今年は医学部、薬学部への進学者が多いようですが。
【校長】自身の活躍の場に医療の現場を選び、そのための一歩として、進路実現を果たしてくれたと考えます。夢の実現を在校生にも示してくれたことになります。
【井上】以前の九段は文系希望者が多かったのですが、大分変わってきていますね。
【校長】文理コース分けは6年生から。5年生までは社会に通用する人間を育てるために、全教科を共通履修しています。
【井上】生徒達はどのような状況ですか?
【校長】生徒は九段入学の動機が明確であり、目的意識が高いです。入学当初は8~9割の生徒が国公立大学への進学を希望しています。志の高さを大切にさせ、社会で求められている人間、社会を生き抜いていける人間の育成を目指し、指導しています。
【井上】高校からも募集があると生徒に刺激になるのでは?
【校長】そうかもしれません。しかし、6年間を同じメンバーで過ごすことで、相互理解が深まり、互いに刺激し合える関係が築かれています。途中からの入学者がいない分、独自のカリキュラムを組めますし、一貫した教育が行える面もあります。
【井上】我々の時代にはいわゆる外面的にバンカラといった生徒もいました。今の九段生は良い子すぎるなと感じますが・・・。
【校長】均整のとれたスマートな生徒がほとんどです。素直というか、もっと元気があっても良いと思うこともあります。しかし、どの生徒も挨拶や返事ができるのは、本校生徒の良さであると実感しています。
【井上】限られた環境の中で外の世界から受ける刺激は何かありますか?
【校長】社会との交流を通して切磋琢磨するよう、企業や大使館などに前期課程の時から訪問しています。幸い千代田区は教育資源に恵まれていますので。ほかには都立中高一貫教育校と部活動の大会を通じて交流をしています。
【井上】今日はお忙しいところ貴重なお話しをありがとうございました。第一東京市立中学建学時から引き継がれる「九段精神」は今も健在であることを嬉しく思います。九段の文武両道の伝統と校風をこれからも継承し、進学実績の一層の向上を願っています。
(高橋暁子・高17)

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